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知らなきゃ大損するかも『住宅ローン控除制度』!(^^♪

住宅ローン控除制度を徹底解説!分かりやすく解説

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)制度は、マイホームの取得や増改築のために住宅ローンを利用した場合、一定の期間にわたり、毎年の住宅ローン残高に応じて所得税や住民税が控除される制度です。マイホーム取得の負担を軽減し、居住の安定を図ることを目的としています。

この制度は、適用要件や控除額、控除期間などが複雑に絡み合っているため、しっかりと理解しておくことが重要です。本稿では、住宅ローン控除制度の仕組みから適用条件、控除額の計算方法、手続きの流れ、注意点までを分かりやすく徹底的に解説します。

1. 住宅ローン控除制度の基本的な仕組み

住宅ローン控除制度は、以下の2つの税金から控除される仕組みとなっています。

  • 所得税: その年の所得に応じて課税される税金から、一定額が控除されます。控除しきれなかった金額がある場合は、翌年の住民税から一部が控除されます(控除限度額あり)。
  • 住民税: 前年の所得に応じて課税される税金から、所得税で控除しきれなかった金額が一定の範囲内で控除されます。

控除の対象となる住宅ローン:

住宅ローン控除の対象となるのは、金融機関(銀行、信用金庫、住宅金融支援機構など)からの借入金だけでなく、勤務先からの低利融資や公的機関からの融資なども含まれます。ただし、親族や知人からの個人的な借入金は対象となりません。

2. 住宅ローン控除の適用要件

住宅ローン控除を受けるためには、住宅の種類や取得方法、個人の状況など、様々な要件を満たす必要があります。主な適用要件は以下の通りです。

2.1. 取得する住宅に関する要件

  • 自己居住用であること: 取得した住宅に、原則として本人が居住していることが必要です。別荘や投資用物件は対象となりません。

  • 床面積:

    • 2023年12月31日以前に建築確認を受けた住宅: 50平方メートル以上
    • 2024年1月1日以降に建築確認を受ける住宅: 50平方メートル以上(ただし、合計所得金額が1,000万円以下の場合は40平方メートル以上)
  • 住宅ローンの借入期間: 10年以上であること。

  • 新築または取得の日から6か月以内に入居すること: 新築住宅の場合は建築後1年以内、中古住宅の場合は取得後6か月以内に入居し、引き続き居住していることが必要です。

  • 一定の省エネ基準を満たす住宅(2022年以降の入居の場合):

    • 省エネ基準適合住宅: 断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上を満たす住宅
    • ZEH水準省エネ住宅: 断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上を満たす住宅
    • 認定住宅: 認定長期優良住宅または認定低炭素住宅

    2021年以前に入居した場合は、省エネ基準に関する要件はありません。

2.2. 取得者の所得に関する要件

  • 合計所得金額: その年の合計所得金額が2,000万円以下であること。

2.3. その他の要件

  • 住宅取得資金に係る借入金であること: 住宅の購入、新築、増改築のための借入金である必要があります。
  • 連帯債務の場合: 連帯債務者それぞれが控除を受けるためには、それぞれの持分に応じて借入金を負担している必要があります。
  • 過去に住宅ローン控除の適用を受けていないこと(原則): 再度住宅ローン控除を受けるには、一定の期間が経過しているなどの条件があります。

3. 住宅ローン控除の控除額と控除期間

住宅ローン控除の控除額は、年末時点の住宅ローン残高に一定の控除率を掛けて計算されます。控除期間は、住宅の種類や入居時期によって異なります。

3.1. 控除額の計算方法

毎年の控除額は、以下のいずれか少ない方の金額となります。

  • 年末時点の住宅ローン残高 × 控除率
  • 年間控除限度額

控除率と年間控除限度額(2022年以降の入居の場合):

住宅の種類 控除率 控除期間 年間控除限度額
省エネ基準適合住宅 0.7% 10年 20万円
ZEH水準省エネ住宅 0.7% 10年 35万円
認定住宅 0.7% 13年 35万円
その他の住宅(2023年末まで) 0.7% 10年 14万円
その他の住宅(2024年以降) 0.7% 10年 14万円

注意点:

  • 控除対象となる住宅ローン残高には上限があります。
  • 夫婦で住宅ローンを組む場合、それぞれが要件を満たせば、それぞれで控除を受けることができます。

3.2. 控除期間

控除期間は、入居した年や住宅の種類によって異なります。

  • 2021年12月31日までに入居した場合: 10年間
  • 2022年1月1日から2025年12月31日までに入居した場合:
    • 省エネ基準適合住宅、ZEH水準省エネ住宅、認定住宅: 10年間または13年間
    • その他の住宅: 10年間
  • 2026年1月1日以降に入居する場合: 控除期間や控除限度額が変更される可能性があります。

4. 住宅ローン控除を受けるための手続き

住宅ローン控除を受けるためには、原則として確定申告を行う必要があります。

4.1. 1年目の手続き(確定申告)

住宅ローン控除を初めて受ける年(入居した年)は、確定申告を行う必要があります。確定申告期間(通常2月16日から3月15日まで)に、以下の書類を税務署に提出します。

  • 確定申告書AまたはB: 所得の種類に応じて選択します。
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書: 金融機関から送付される「住宅ローンの年末残高証明書」などの情報に基づいて作成します。
  • 住宅ローンの年末残高証明書: 住宅ローンを借りている金融機関から毎年10月頃に送付されます。
  • 建物・土地の登記事項証明書: 法務局で取得します。
  • 売買契約書または工事請負契約書の写し: 不動産業者や建設業者から入手します。
  • 源泉徴収票: 勤務先から交付されます。
  • マイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)
  • (場合によっては)住宅性能証明書、建設住宅性能評価書の写しなど: 省エネ基準を満たす住宅であることを証明する書類

4.2. 2年目以降の手続き(年末調整または確定申告)

2年目以降は、会社員などの給与所得者の場合、年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。年末調整に必要な書類は以下の通りです。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書: 税務署から1年目の確定申告後に送付されます。
  • 住宅ローンの年末残高証明書: 金融機関から毎年10月頃に送付されます。

自営業者や給与所得者でも年末調整で控除しきれなかった場合などは、引き続き確定申告を行う必要があります。

5. 住宅ローン控除に関する注意点

住宅ローン控除制度を利用するにあたっては、いくつかの注意点があります。

  • 繰り上げ返済の影響: 住宅ローンを繰り上げ返済した場合、その後の年末残高が減るため、控除額も減少します。ただし、繰り上げ返済によって控除期間が短縮されるわけではありません。
  • 住み替えの場合: 以前の住宅で住宅ローン控除を受けていた場合、新たな住宅で再度控除を受けるには、一定の要件を満たす必要があります。
  • 離婚した場合: 住宅ローンの名義や居住状況によって、控除の適用が変わる場合があります。
  • 住宅ローンの借り換え: 住宅ローンを借り換えた場合でも、一定の要件を満たせば、残りの期間について住宅ローン控除を受けることができます。ただし、借り換えによって借入期間が10年未満になった場合は、控除の対象外となります。
  • 贈与税との関係: 親などから住宅取得資金の贈与を受けた場合、贈与税の課税対象となる可能性があります。ただし、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置などの特例を利用できる場合があります。
  • 確定申告の期限: 初年度の確定申告は、原則として入居した年の翌年3月15日までに行う必要があります。期限を過ぎると控除を受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。
  • 制度の変更: 住宅ローン控除制度は、経済状況や政策によって内容が変更されることがあります。最新の情報を常に確認するようにしましょう。

6. 住宅ローン控除に関するQ&A

Q1. 夫婦でペアローンを組んだ場合、それぞれ住宅ローン控除を受けられますか?

A1. はい、夫婦それぞれが住宅ローンの債務者であり、それぞれが居住要件や所得要件などを満たしていれば、それぞれの借入残高に応じて住宅ローン控除を受けることができます。

Q2. 中古住宅を購入した場合でも住宅ローン控除は受けられますか?

A2. はい、中古住宅でも一定の要件(床面積、築年数など)を満たし、住宅ローンの借入期間が10年以上であれば、住宅ローン控除を受けることができます。

Q3. 住宅ローン控除で控除しきれなかった金額は、全額住民税から控除されますか?

A3. いいえ、所得税から控除しきれなかった金額は、翌年の住民税から一定の限度額まで控除されます。住民税からの控除限度額は、所得税の課税所得金額等によって異なります。

Q4. 確定申告に必要な書類を紛失してしまった場合、どうすればいいですか?

A4. 金融機関の「住宅ローンの年末残高証明書」は再発行が可能です。建物・土地の登記事項証明書は法務局で再度取得できます。売買契約書や源泉徴収票についても、関係機関に問い合わせて再入手を試みてください。

Q5. 住宅ローン控除の期間中に住宅を売却した場合、その後の控除はどうなりますか?

A5. 住宅を売却し、居住しなくなった時点で住宅ローン控除は終了します。

7. まとめ

住宅ローン控除制度は、マイホーム取得の経済的な負担を軽減する非常に重要な制度です。しかし、適用要件や控除額、手続きなどが複雑であるため、しっかりと理解しておく必要があります。

本稿で解説した内容を参考に、ご自身が住宅ローン控除の対象となるかどうか、控除額はどの程度になるのかなどを事前に確認し、忘れずに確定申告や年末調整の手続きを行いましょう。

不明な点や不安な点があれば、税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。制度を正しく理解し、有効活用することで、賢くマイホームを取得しましょう。